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         本日、平成22年度予算が衆議院を通過しました。 
        この予算は、問題が非常に多い予算だと思います。 
        まず、税収よりも赤字国債の発行額が多いというのは昭和21年の予算以来です。中長期的に財政をどうしていくのか、いろいろな恒久政策がありますが、それに対して恒久財源が用意されていない等々、財政的にも責任感が欠如した予算だと思います。 
        また、そのバラマキの使い道というのは、経済効果が乏しいところに使われています。成長戦略、あるいはデフレ脱却の道筋というものに、きちっと対応できていない。経済政策的にも問題が極めて多いと思います。 
        政治的に言いますとマニフェストで約束されたことに対する違反です。 
        典型的にはガソリンの暫定税率の問題ですが、多々問題をはらんだ、非常に欠陥の大きな予算だと思います。 
        従いまして、この予算案が衆議院を通過してしまったことに対しては、私は非常に危機感を持ちます。 
        私どもは組み替え動議を出しました。民主党の作られた予算から、無駄な政策を排除するとか、いろいろなところで5.2兆円ぐらいは作れるのではないかと考えます。そのうち、3.9兆円はこういう財政状況ですから、財政の健全化に向ける。あとの1.3兆円で成長の種をまくとか、社会保障の不安なところをカバーしていくとか、そういったことができるのではないかと思います。そういう組み替え動議を出しましたが、残念ながら数の論理で敗れました。誠に残念だと思っています。 
         
        また、依然として政治とカネの問題があります。 
        現在、確定申告が行われていますが、国家は国民に税を払っていただくことで成り立っているわけですから、こういった問題をきちっと解明していかなければならなかったと思います。それに対して、数の力で臭いものにふたをしてきたというのが今までの流れです。 
        それから、国会の中で、今まで与野党で作ってきた伝統、これは、長い間かかって我々の与党時代に野党の意向も組み入れて作られてきたものです。重要な法案には総理に来ていただいて、きちっと審議しようだとか、そういうようなことも無視されている。 
        数を頼みにいろいろなことをやってくる。これは決して日本の民主政治を前進させるものとは思いません。 
        私どもは、そういうことに抗議をして、審議拒否ということも致しました。数の力もありますから、その点では十分な抗議の成果をあげることはできなかったかもしれませんが、今後、今のような政治とカネの問題等々徹底的にまたやっていかなければならないと思っています。 
         
        今日、鳩山首相が企業団体献金の問題で、与野党で協議機関を作って議論をするように指示したそうですが、その前に前提問題を解決しないといけないと思います。 
        税法なり政治資金規正法に違反しておいて、その言い訳のために、政治資金規制法等を改正していこうというのは、発想が逆立ちしていると思います。 
        今、あの方たちが疑惑を持たれているのは、法の不備ではないのです。法の不備ではなくて、法をきちんと守っていないというのが問われているのです。 
        守っておかないで、それを追及されたら政治資金規正法を変える。まことに滑稽な判断です。 
        まず今までやったことを明確に説明されることがなければ、こういうまやかしの案に、私は、乗るわけにはいかないと思います。 
        こういうことをきちっとなさって、証人喚問をする、説明責任を果たす、あるいは石川知裕衆議院議員の議員辞職決議案を上程するとか、そういうようなことをきちっとおやりになったら、私どもは話し合いに応ずる用意はあります。もちろんその中で議論することはたくさんあります。 
        労働組合に関して言えば、今、北教組が問題になっていますが、北教組の問題でも、あれは裏金で、禁じられていたわけです。もう少し透明度を高めることによって、そういう不当な、違法な裏金の使い方を追及できるようなことができないかということもあります。 
        組合費は、従業員の給与から天引きできるようなチェックオフの仕組みがありますが、果たしてそれが良いのかどうか。そういうことを含めて議論しようと言うなら、我々も議論に応じる用意があります。 
        前提を不問に付したままでは、ちゃんちゃらおかしいということでしょう。 
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